定期検診の大切さ、と愛犬の話2024.01.05
新しい年になりました。今年もどうぞよろしくお願い致します。
副院長の近藤です
冬休みや春休み、夏休みといった長期休みには、我が子も歯の定期検診を受けさせるようにしています。
先日、夏休みぶりに診察した息子(8才)の歯ですが、なんと、虫歯が見つかりました
左下の奥歯です。治療前の写真です。
どの歯が虫歯か分かりますか?
正解は、ここです(左下Dの遠心)。
よーく見たら、歯の中が少し黒っぽくなっているのが分かります。
隣接面(歯と歯の間の隣合った部分)の虫歯は見つけにくいのです。
もちろん、少し前からフロスが引っかかる感じがあるのと、何となく色が黒っぽいような気がして、家でも、「怪しい、、、」とは思っていたのです。
歯科医院のライトの下で見るとすぐに、虫歯だと分かりましたが、一応レントゲンを撮り、やはり虫歯の部分だけ黒くなっていますので虫歯で確定です
もちろん、即治療です。
これくらいの大きさの虫歯なら、たいてい、麻酔は必要ありません。
虫歯を削っていきます。
う蝕検知液(虫歯の部分だけ赤く染まる液)で赤く色を付けて、虫歯の部分以外はなるべく削らないように、慎重に切削しました。
予想していたより、わりと大きな虫歯でした。
白い樹脂を詰めて、治療終了です。
矢印の辺りが詰め物をした場所です。
どうですか?分かりますか?
ある程度、治療に協力的なお子様だと、樹脂で詰めることが可能ですので、どこを治療したか分からない位の仕上がりになることもあります(嫌がったりで長時間口を大きく開けられないお子様は、接着の観点から白いセメントで詰めることが多いので、詰めた箇所が白くなってしまいここまで自然な仕上がりにはなりませんが、セメントはフッ素徐放性があるため、虫歯の再発を防ぐという点では優れています)。
家での仕上げ磨きで、フロスも毎日使うことを目標にはしていますが、つい出来ない日もあったりで、隣接面の虫歯を防ぎきれませんでした💦
子供3人の仕上げ磨きが大変!という側面もありますが、小学校2~3年生くらいまでは親の仕上げ磨きが必要とされる年代ですので、親としても忙しさを言い訳にして、時々フロスをしそびれていたことを反省です。
あと、鋭い方はお気づきかもしれませんが、2本後ろの歯(左下6歳臼歯)も虫歯が怪しいですね、、、
矢印部です。「シーラント予定」と書きましたが、詳しく診察して虫歯があれば、少し歯を削ることになるかもしれません。(昔シーラントをしていた部分なのですが、いつの間にか外れてしまっていました)
6歳臼歯の虫歯の可能性には、私も家では全く気が付いていませんでした。
ここの治療は、また、次回の予定です。
毎日、仕上げ磨きで子供達の歯は見ているのですが、なぜ自分が歯科医師であっても家では子供の虫歯は見つけられないのでしょうか。
理由は、「明るさ」にあると思います。
歯科の診療台にはあるライトが無い、ということです。
これです。
地味な存在ですが、とても大切です。
訪問診療をするようになると、歯科用チェアーのライトの有り難みを痛感します。
もちろん、訪問診療でも頭につけるライトを使用します。
これは明るさの調整もでき、とても便利です。
これ無しでは訪問診療は絶対に成り立ちません。
この頭に付けるライトを使って、家でも日々仕上げ磨きをしたいくらいなのですが、そんなお母さん嫌ですよね😣
仕上げ磨きは普通のお母さん達と同じように行っています
今回のことで痛切に感じたことは、「定期検診がとても大切!」ということです。
歯が専門の人間でも、家では、虫歯はなかなか見つけられません。
虫歯にはっきり気が付くくらいの段階だと、虫歯はずいぶん大きくなってしまっています。歯を削る量も多くなりますし、治療時に麻酔がたくさん必要になったり、神経を取らなければいけない可能性も上がります。
虫歯はなるべく小さいうちに、小さい詰め物で治して、その後は快適に過ごしてもらうのがベストなのです。
私も、子供の虫歯に対しての親としての反省点はたくさんありますが、「長期休みには必ず歯科医院で検診を受けさせる!」と自分で勝手に決めたルールに関しては、本当に良かったと思っています。
子供が中学生や高校生になっても、例え反抗期に差し掛かっても、このルールはずっと続けていきたいと思っています。
大切なお子様の歯、ご自分の歯を守るために、ぜひ、半年に一度ほどは定期検診を受けられてください。
虫歯が無ければ、絶対に削りません。(そもそも私は、あまり歯を削ることが好きではありません)
その際にクリーニングなども受けられたら、なおさら良いと思います
息子の虫歯を教訓に、今回の投稿を書きました。
息子なら、遠慮せずに治療中に歯の写真を撮れるので、「また写真撮るの!?もう口引っ張らないでよ!」とさんざん言われながらも、せっかくの良い機会なので、皆様に歯科医師としての「歯を守りたい!」という私の思いを伝えたいと思い、息子の協力もあり、今回の投稿が出来ました。
最後に、雑談になりますが、我が家の愛犬の話です。
年末に動物病院で腎臓病が発覚しました。
体重が減ってきていることをきっかけに受診し、判明したのですが、腎臓の状態もかなり悪いようで、獣医師から「普通にご飯食べたりできているのが不思議な状態」と言われました。
熊本市動物愛護センターから譲り受けた保護犬で、うちに来て9年になります。
正確な歳は分かりませんが、推定16歳くらいだそうです。
もうかなり、老犬ですもんね。
でも、やせてきている以外はほとんど普段と変わりなく、元気なのです。
愛犬と普通に過ごせている日常が有り難いなと、思いました。
もともと足に少しハンディがあるのですが、そのことも感じさせず、本人も何も気にせずいつも元気な様子から、私も「無いものねだりせずに、今ある事に感謝して生きる」ことを愛犬から学びました。
何も話さないのに、色々な事を教えてくれます。
↑この写真は4年ほど前のもので、愛犬も壮年期だった頃ですね✨でも今でも見た目はこの頃と変わらないとよく言われます
食事を腎臓サポートの療養食に切り替えましたが、犬の腎臓病は根本的な治療法は無いのだそうです。
病気ともお付き合いしていかないといけないですね。
あとどの位、愛犬と一緒に過ごせるでしょうか。この時間を大切にしていきたいと思います。
今年一年が、皆様にとってどうぞよい年でありますように✨
当院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。